完全に日記。

車、ライトノベル、DTM。

自分史:趣味の音楽制作について振り返る4

前回記事の続き。高校時代から社会人になって以降の話までいっきにまとめて、完結編というか。

 

友人との音楽ユニット活動がフェードアウトして以降は、形式が打ち込み音楽という点は変わらずだったものの、単独での片手間音楽活動の時期が続いた。

高校卒業後~就職まで何をやっていたのかあまり記憶に残っていないが、たしか前述とは別の友人が作成していたRPGツクール作品のBGMを担当していたことだけは覚えている。PC98内蔵のFM音源(4OPで3音ポリしか出せなかった方のやつ)で頑張って打ち込んでいたわけだが、これくらい制約がある方が割り切って作れるので、曲の生産スピードが増したような。

他にはRolandのSoundCanvasシリーズをSC-88SC-88proSC-8850と順調にバージョンアップしていったり追加音源としてKORGのM3Rを導入したりと、無邪気に音源を買い足す方向で制作環境の増強を図っていった。

ユニットの方の友人は懐かしきカセットテープ式の4トラックMTRを所有していたが、当時の私は録音だとかソフトウェアの方にまだ無頓着な人間だったようで、作った曲はミックスも何もなく、ただ普通にカセットテープに録音していただけだった。

 

社会人になって以降は、仕事で時間が取れなくても音楽制作に少しでも関わっていきたいという気持ちがあったからか、スタンスに変化が起きた。

この頃は同人業界の1ジャンルとして同人音楽が流行し始めていて、たしか葉鍵系ブームと当時のインターネット音楽事情(JASRAC騒動以前のMIDI配布時代だとかGS/GMだとかGMLことゲーム音楽図書館だとか……)も相まって、ネットという漆黒の黒き闇の翼を得て勢い余った私も同人アレンジ音楽CDに首を突っこんでいた。

知人のアルバム2枚くらいに参加して、KEY作品のアレンジ曲やオリジナル曲を引っさげてコミケやM3にも参加し、ほどなくして消えていったのだった。

あれは黒歴史と見なすほど悲しい記憶でもなかったので、権利問題的に公開してまずくなさそうな当時の曲のリンクを貼っておく。作編曲や録音が酷いとか以前に22年前のmp3という現実が、今になって自分の息の根を止めに来た。

🎧"Spindle" - 2002

 

🎧"たとえば" - 2002

 

 

この頃はまだハードウェア音源を使用していて、録音環境もHDMTR(確かKORGのD16)だった。ミックス知識がないまま適当な録音していて(コンプやEQとは何ぞや?? 周波数の概念が理解できなかった)、その筋の人に改善点を指摘された覚えがある。あと後半で飽きて、作編曲が雑になる悪い癖はこの頃からのものだった。

 

同人アレンジ音楽に飽きた後は、ヴォーカルの人と歌ものをやってみたり、同人ゲームや同人ドラマなんかのBGMに関わってみたりした。

で、このあたりで呆気なく自分の限界にぶち当たっていた。

要約すれば「曲が浮かんでこない」「テクノロジーに付いていけない」「相手の指定したスケジュールを守れない」。

書いてみて3つ目が一番酷いと思った。ネットを得て誰かとの協業が昔より容易になった一方で、協業相手の要求に応えられないことをようやく自覚できたのである。

そいつの言い訳を挙げれば、仕事が忙しくて趣味に時間が割けなかったからとか、結婚して生活に必死で……みたいなありきたりなことばかりだったわけだが。

テクノロジーに付いていけないというのも悲しい話で、ちょうどこの頃はようやくDAWがポピュラーになってきた時代だった。で、私も碌に使いこなせていなかったHDMTRから一転してSteinbergCubase SX2を初導入してみたものの、環境構築やらも含めて使いこなせない度が高まるばかり。音を出すだけでも一苦労で、何も生み出せない暗黒時代の到来だった。

でも思えばこの頃って、まだまだVOCALOIDブーム以前だったのだよな。

 

まあそんな感じで、2000年代あたりで音楽制作を止めてしまった。

それから2007年にVOCALOID2初音ミクニコニコ動画で話題になるまでは、完全にDTMも音楽制作からも離れてしまっていた。ボカロブーム以降も、きっかけとして食指も動いたからDTMに復帰してみようかなという気になっただけで、結局まともに1曲も作り上げられなかった。自分が買ったのは鏡音リン/レンだったけれど。

🎧"【鏡音リン】さよならハイパーソニック(demo)" - 2008

 

 

先日ストレージ整理をしていたところ、自分が一番最後に残したmp3が発掘された。確か同人ノベルゲームのBGM用途で発注された曲で、先方から「学園の日常シーンで、曲調はエレクトロニカ風で」みたいな強い要求があり、自分の手に余って迷走してしまっていた記憶が今ごろになって蘇ってきた。

🎧"未完成曲:学園の日常シーンで、曲調はエレクトロニカ風、とは……" - 2010

 

 

ファイルのプロパティを確認したところ2010年作だった。ここで私は一度、趣味の音楽制作を諦めてしまったわけだ。

 

 

ならば、あれから14年が過ぎ去ったということだ。

音楽の趣味自体の拘りが希薄になってきて、腰を据えてリスニングする機会が減っていた。

ボカロのシーンを追っていたのもニコ生やら歌い手やらが登場する以前までで、それ以降のムーブメントはよくわからない。

ただ、つい先日、Steibergのセールを機にCubaseを13proにアップデートした。ついでに死蔵していたHALion3も7に上げた。オーディオインターフェースは何故かRMEBabyface Proが置いてある。何ならNIのKOMPLETEも古いバージョンながら死蔵されている。

老後の趣味にDTMもいいかなと思ったからだった。

とはいえ退職までまだ20年近くはありそうだから、他の趣味に一区切り付いた段階でリハビリテーションを開始したいと考えている。